100年前に歌われていた奄美民謡の音源が存在する
みなさんは、100年前に歌われていた奄美民謡の音源が残っていることを知っていますか?
それは伝説的な唄者、中山音女(なかやま おとじょ)のシマ唄です。
中山音女(なかやま おとじょ)とは
音女は明治24年に鹿児島県大島郡宇検村湯湾に生まれました。幼い頃から歌が好きで、子守をしながら歌っていたシマ唄があまりにも上手くて大人たちを驚かせたそうです。
音女は芸名かと思ってましたけど、本名ということで、そんな名前が付けられた女性が島で評判の唄者になるなんて運命的ですね。
歌の音源に違和感あり
そんな情報を得て、一体どんな歌声?!とかなり興味が湧き、音源を聴いてみました。歌のごく一部分切り抜いてみましたので、どうぞ聴いてみて下さい。
朝花節(あさばな)という歌ですが、現代で歌われている節回しとけっこう違います。
<歌詞>
ひょとん出(いじ)ちば はばかりながら
ごめん下さりませ 此(こ)ぬ家(や)ぬ御亭主様(うちしゅさま)
<訳>
突然お訪ねして、恐縮ですがお許し下さい
このお宅のご主人様
奄美民謡を知ってる人なら感じると思いますが、この歌はスピードが速すぎてすごく変です!!
どうやら収録の技術的な問題とかで、実際の音女の音声よりも速いものになっているらしいです。
アプリで音源を加工してみた
そういうことなら…スピードを遅く加工して本物に近づけよう!とアプリを使ってやってみました。
うちの先生にも加工後の歌を聴いもらって、速度調節しました。おそらく本来のものに近いんじゃないかと思うのでこちらも聴いてみて下さい!
どうでしょう?とても素敵な歌じゃあないですか!!
音女の歌の魅力
この加工後の歌を聴いて、私はすっかり音女のファンになりました…。
私の勝手な個人的解釈になりますが、音女の歌は生活の一部にそれがあるかのように身体に染み込ませたような歌だと感じました。
ご飯を食べる、家事をするといった日常生活と同列に歌が組み込まれているというか。
舞台に立ってお客さんに聴かせるという歌とは異質なものだなと。
「さぁ上手く歌うぞー!」という気持ちが無いような気がするんです。
そういう彼女の軽快で純粋な歌声に心をがっちり掴まれました。
やはり、達人と言われる方はすごいですね!
こういう歌い方が後世に引き継がれていないというのは残念なことです。
みなさんはどんな感想を持ちましたか?奄美民謡に魅力を感じるきっかけになると嬉しいです。
この音女の歌っている朝花節という歌については、今後もっと詳しい記事を書きたいと思います。
amamisimautatokyo.hatenablog.com