11月6日月曜の夜19時頃に「世界!ニッポン行きたい人応援団」という番組が放送されていました。皆さんはご覧になりましたか?
番組では奄美シマ唄について取材していました。
奄美シマ唄を愛するポーランド人ナタリアさん
奄美大島でシマ唄を習いたいという夢を持っていた、ポーランド人のナタリアさん。
ワルシャワ大学の日本学科に通う優秀な学生さんです。
番組の目に止まり、日本行きの切符を手にします。
ナタリアさんの部屋には日本のものがいっぱい
ナタリアさんの部屋には日本モチーフのポスターとか、夏目漱石の本などがあり、奄美大島の写真までも飾られていました。日本のことに本当に興味あるんだなーと感心しました。
シマ唄に興味を持ったきっかけは、アニメサムライチャンプルーの挿入歌(第14話)に使われていた朝崎郁恵さんが歌う「おぼくり~ええうみ」を聴いたことだそうです。
あれは本来のシマ唄ではないけど、奄美シマ唄の歌唱法なので、(訂正:先生に確認したところ、おぼくりはめちゃくちゃ古いシマ唄で、三味線もなく歌われていたということでした。今では歌える人はほぼいないそうです。)独特な味わい深さがありますねぇ。ナタリアさんも奄美シマ唄の裏声とグインに魅了されたようです。
私も元ちとせさんのワダツミの木をきっかけにシマ唄を習うことにしたのですごく気持ちが分かります!
それにしても、ポーランドなんてアジア圏でも無い外国の方がシマ唄を聴いて心打たれるんだ!?とびっくりしました。
奄美高等学校でシマ唄を練習
ナタリアさんにシマ唄を教えてくれるのは、奄美高等学校にある郷土芸能部に所属する生徒さんたちです。この生徒さんたちが、もう本当に良い子たちばかりで、練習の様子がとても微笑ましかったです!
こんな部活が学校にあるなんて羨ましすぎます。1997年に創設されたそうですが、ずっと続いて欲しいものですね。
ナタリアさんが練習する唄は朝花節。こちらの部活ではカサン節で歌っていました。番組でも紹介されていましたが、シマ唄って地域によって同じ唄名でもメロディーが違うんです。カサン節はあまり音の高低の激しさがなく、たおやかな印象です。
ナタリアさんは、シマ唄の独特のリズムと節回しが難しいと言っていました。日本人ですら苦戦するのに外国人だと尚更だと思います。
生徒さんたちの唄を録画して、寝る前に30回練習するというかなり真摯にシマ唄に取り組んでいました。
発表会はなんと一週間後・・・!!いくらなんでも、そんなの無理じゃないかと思ってしまいました。
元ちとせさんとご対面
昼間は部活がやってないので、ナタリアさんが名瀬の末広市場を探索していると、声をかけられ、奄美FMラジオ番組「ヒマバンミショシーナ」に出演することとなりました。こちらの番組、買い物客を出演させることで評判の番組らしいです。面白いですね!
そこで、なんと元ちとせさんが登場!ナタリアさんは元ちとせさんのファンでもあり、目の前で唄を歌ってもらうことになりました。
そこでは、朝花節と行きゅんにゃ加那節を歌っていました。
元ちとせさんの朝花節がヒギャ節になります。郷土芸能部の生徒さんが歌っていた朝花節と全然違いますよね。ヒギャ節はカサン節と反対に、音の高低が激しくて、より感情的な印象です。(ちなみにうちの教室はこのヒギャ節を習います。)
ナタリアさん、生歌が聴けて感無量の様子でした。
セントラル楽器の指宿さんが話されていましたが、昔はシマ唄はお年寄りしか聴かなかったのに、元ちとせさんのデビュー後若い人たちもシマ唄に興味を持つようになってきたそうです。元ちとせさんの影響力はすごいものですね。
朝崎郁恵さんも登場
その後もナタリアさんは番組のご厚意で、シマ唄に興味を持ったきっかけになった朝崎郁恵さんとも会うことができました。「あぼくり~ええうみ」を歌って下さってました。
ナタリアさん曰く「朝崎郁恵さんの歌声は心に語りかけてくるようなどこか懐かしさを感じられる深みのある唄」
ナタリアさんのその感性、本当に素敵ですよ!
シマ唄の発表会の結果は?!
とうとうナタリアさんのシマ唄を披露する発表会がやってきました。
前日のナタリアさんは不安で過呼吸になるほど追い詰められていたので、すごく心配だったんですが、見事に歌い切っていました。澄んだ綺麗な声でした。
一週間しか無かったのに、言葉も分からない中頑張って練習したんだなーと、うるっときましたねぇ。最後は、一緒に練習をして支えてくれた生徒たちと喜びを分かち合っていて、胸が暖かくなりましたよ。
総括
この番組をきっかけに、シマ唄に興味を持つ人が更に増えたら良いなぁと思います。
こんな素晴らしい文化、ずっと残っていて欲しいから。
この番組はTverでもネット配信されていますので、見逃した方は是非御覧ください!
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